漢字は現代世界に多数ある文字の中で,唯一の象形文字である。もちろん,形で示された意味だけでなく,組み合わせによって多様な意味を持つようになっている会意や形声。象形文字らしさを残している漢字をいくつか紹介しておくと,「育」は上半部が「子」の倒置であり,さかさまに生まれてくる様子月は肉づきでありを表している。「疒」はベッド臨牀の牀の左側はベッドが立てられたようになっているの上に横臥する人なべぶたに似た上部を表し ている。「呆」は赤ん坊をおむつでくるむ様子であり,口を開け,手足を動かしているように見える。その他に,元の象形を知ると権力性を覚え,怖い気持ちになる漢字がいくつもある。「神」は「示」がいけにえをのせて直垂をたらした台を表し,「申」はイナヅマの象形から作られており電の下半部と同じ,併せて畏怖する光景を表しており,薬師如来などの仏や西洋の慈愛に満ちた神と異なっている。「民」は「眼」の右半分と似ており,眼をくりぬかれた被征服民を表し,「取」は敵の耳を「又」鎌の象形で切り取る様であり,「道」は被征服民の首を敷き詰めて造った通路シンニュウを表している。